NHK-BSで不定期に放送されている「空港ピアノ」(他に「駅ピアノ」「街角ピアノ」があります)、本日の午前中、再放送でしたが、宮城県の仙台国際空港からの映像でした。この空港ロビーに設置されたグランドピアノは、鍵盤が少し剥がれたり、側板や屋根の部分が欠けたりしております。場所柄、想像できるわけですが、10年前の震災・津波の被害に遭った個人所有のピアノを演奏可能な状態に修理して、災害の爪痕は支障の無い範囲でそのままにされています。そのピアノを特別に空港に設置して、他のシリーズと同じように道行く人々が弾いていくのです。
この「○○ピアノ」のシリーズ、主に海外での映像が多いのですが、日本の都市のもあります。タイトルからして音楽番組かと思われます。が、正確に言えば、ピアノに向かっている方のピアノ(や演奏曲)との馴れそめや、今の生活、これまでの人生等々を演奏とキャプションだけで表現するドキュメンタリー番組です(ナレーションは一切ありません)。そして演奏しているのは、その場所の通りすがりの人々、プロのピアニストもいれば、音楽学校の生徒、保育士さん、趣味でピアノを始めたおじさん・・・等々さまざまな通りすがりの人が、自分のお気に入りの一曲を弾きます。放送では一曲の中のワンフレーズ、1番のみとかの短い尺で、その演奏は、ピアノの周囲に設置された定点カメラで映し出され流されます。またインタビューが入る場合もあります。
私は結構このシリーズが好きで、見始めると席を離れなれなくなり、ついつい最後まで見てしまいます。
この番組を「やらせ」だと感じる人もいるようです。確かに次々に演奏する人が出てくるわけではないでしょうし、そこそこの演奏技術のある方ばかりです。時には、これは放送できるレベルでは無い人もいるでしょうし、遠慮してなかなかピアノに向かう人も多いわけではないでしょう。おそらく、放送可能となる演奏カットを集めるために、放映時間の何倍もの時間をかけて、待って、いけると思った人にはコメント取材して、放映許可取って・・・と、制作されているスタッフの方の努力は並大抵のものでは無いと推測します。ノーナレーションで、淡々と進んでいく内容だからこそ、それなりに大変なんだろうと感じます。