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ラジオ深夜便「ゾウの高子さん」

 歳をとる、トイレが近くなる、夜中に目がさめる、それから寝つけなくなって、らじるらじるで「ラジオ深夜便」を聴く、気になることをチェックする(寝ながらスマホはいけません、とわかっています)、というパターンがよくあります。

 「ラジオ深夜便」は、前日の夜11時から朝の5時まで、ほぼ1時間刻みで、歌のコーナー、著名人のインタビュー、街の話題、等々、アンカーと呼ばれるアナウンサーがライブで進行します。このアナウンサーは、かつての七時のニュースやバラエティー番組に出ていて、現在では「エグゼクティブアナ」(たぶん後輩アナの指導者みたいな役職)という肩書きで一線を退いた方が、月に2回程度の深夜勤務をされています(チコちゃんのナレーションでアドリブ発言される森田アナも時々あります)。聴取者は圧倒的に中高年が多いと言われています。かつての深夜放送ファンの世代だと思います(私も含めて)。

 先週、そのルーティンで聴いたのは、かつて「ラジオ深夜便」のアンカーを担当して、その後退職されている室町澄子さんが、番組担当時の思い出話、エピソードなどを話した講演会の模様が放送されていました。昭和21年生まれらしいので、現在、70代後半となられています。が、その講演会での話しぶりは、さすが元アナウンサー、しっかりと、ユーモア交えた楽しいものでした。つかみは「深夜便のアイドル室町でございます」でした。

 その講演会の中で、室町さんは、今から20年前に「ラジオ深夜便」で東京ぶらり旅という企画を本にして出しました、と。へぇ〜と聞きつつ、寝ながらスマホで検索、Amazonのマーケットプレイスに出品されておりました。1円。出品者からの配送なので送料がかかります、計348円。まぁいいかと、ポチッとしました。昨日、その本が届きました。20年前のものにしては良品です。

 

 で、ラジオの講演でも話されていた「デパートの屋上にいたゾウの高子さん」の話も掲載されておりました。内容は、室町さんが子供の頃にデパートの屋上でゾウに乗り、その写真がたまたま出てきたので「ラジオ深夜便」の放送で話をされたそうです。放送後、そのデパートの屋上でゾウの世話係をしていたという人から手紙が届き、返信をし、結果的には、直接会って、その写真にゾウと一緒に写っていたのが手紙を書いた方であったという話です。そしてこの章に続いて、「続・デパートの屋上にいたゾウの高子さん」の話も掲載されていて、私は、その話にグッときました。以下は世話係の方に会って聞いた話です。ゾウの高子さんは、数年間はデパートの屋上で芸をしたり子供を乗せたりの人気者だったのですが、体が大きくなってきて、動物園に引き取られいったとのこと。そして数年後に、その世話係の方が動物園に高子さんに逢いにいったそうです。高子さんは、世話係の方の声をちゃんと覚えていて、嬉しそうに反応したのだそうです。その後、別のゾウと接触して亡くなったことも書かれておりました。悲しいけれども、人間とゾウの心温まる話が、室町さんの言葉によって綴られておりました。この2章を読んだだけですが、1円以上の価値は十分ありました。

 

 

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