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北中正和『ビートルズ』

 正月の松の内には読めるだろうと、新年早々Amazonでポチっとした本です。現代ポヒュラー音楽界で金字塔を打ち立てたグループ、ビートルズを題材にした新書版で、発行は昨年9月、書き下ろしで、話題の映画『ゲットバック』についても少し触れられております。

 それから一週間以上が経過しているのに、なかなかページが進みませんでした。寝る前に1章分くらい読めるかな、と思ったのに、シンプルなタイトルのこの書物を侮っておりました(ヒットした楽曲を取り上げてサウンドの特徴を解説するとかメンバーの人となりを紹介するといったビートルズファン向けのもの、だろうと高をくくっていたのです・・・甘かった)。

 その原因は、ビートルズのメンバーの出自、ビートルズの楽曲、当時の文化、等々について、歴史的(音楽史)かつ地理的(イギリスおよび欧米諸国)に、どのような経緯で、あるいは影響をもって、その曲なり人となりが生まれてきたのか、という解説が、ビートルズ関連書籍や残っている音源などを引用(参照)しつつ解説されているからではないかと思います。挙げられた曲や歌手には、アイルランドで親しまれているトラディショナル歌や、ビートルズ以前に流行した欧米のヒット曲などがあります。

 それら影響を与えた曲を、私も知っていれば「ははぁ~ん!」とメロディやら歌詞などに結びつくわけですが、まったく知らないと、その事実だけで「・・・そうなんか」と、紙面上の知識だけで納得せざるを得ない状況となります。それが続くと、どうしても眠くなってしまい、読み続けられなくなってしまうわけです(傍にパソコン置いてYouTubeで各々検索して聴きながら読むというのが良いかと)。

 しかし、珍しく新本で買ったのに、もったいないと数日前に思い立ち、ここ三日は、午前中にコーヒー飲みつつ読了しました(新書なので読む気さえあれば早い)。

 ビートルズというグループ、活動した約10年で出した楽曲の数々、さらに文化、ファッション、思想・・・、これほど今現在にも影響を与えている存在はありません。この本では、ビートルズが生まれることとなった様々な事実が、ひとつひとつ丹念に説明されています。著者である北中正和氏のポピュラー音楽についての幅広い知識には敬服するばかりです。

 先述したように、YouTubeを片手で操作しつつ・・・というのも良いのですが、実際に音楽を流しながら、その曲の歴史や背景を解説してくれるようなテレビ番組が放送されないかなと、NHK-BS11あたりが制作しそうなコンテンツだと思うのですが、・・・新年の正夢となることを期待します。

 

追記1

この本で知った新たな事実2点

①ジョージの師であるシタール奏者のラヴィ・シャンカルの娘さんが、現在アメリカで活躍するジャズピアニストのノラ・ジョーンズであること。へぇ~!。

②ジョンレノンの曾祖父はかつてミンストレルス・ショーに加入(の説あり)、その名を借用したアメリカのフォークグループ「ニュー・クリスティ・ミンストレルス」のアルバムを昨年ブックオフにて100円で購入。

 

追記2

「人生で起きることの大半は、ボブ・ディランかビートルズの歌にある」(2007年「オール・シングス・デジタル(D5)カンファレンス」での発言。アラン・ケン・トーマス編『スティーブ・ジョブズ 自分を貫く言葉』P127)・・・・名称使用を巡って争ったコンピューターの会社アップルの創業者の言葉です。

 

 

 

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